広告費増は「ネット・デジタル」が牽引。2020年の日本と世界の広告費予測
カテゴリ:Web広告
2月に入ってから日経広告研究所から2020年の広告費についての予測が発表されました。
日本の広告費 2020年 予想
日経広告研究所は2020年度の広告費が前年度に比べて0.3%増えるという予測をまとめた。19年10月の消費税引き上げ後、消費の回復が鈍く、新型肺炎拡大の弊害も懸念される。しかし、米中貿易摩擦の小休止や大規模な財政支出を背景に、景気腰折れの可能性は小さいとみられる。東京五輪・パラリンピックが開かれる夏は、テレビを中心に広告出稿の増加が期待される。新聞や雑誌はマイナスが続くが、減少率はやや縮小し、19年度に鈍化したインターネット広告は伸び率を高める。
出典:日経広告研究所「2020年度の広告費予測(概要版)」
抜粋すると、
- 19年度の広告費は1.5%減少する見通し。米中貿易摩擦による輸出が伸び悩み、自然災害、消費税増税による個人消費低迷が理由。
- 中国の新型コロナウイルスによる肺炎拡大など新たな懸念材料はあるが、景気に対する安心感から20年度は広告費が0.3%増える見通し。
災害や経済的に伸び悩んだ19年度でしたが、20年度はオリンピック、パラリンピック需要に期待して、TVや交通サイネージへの出稿が増えていくと予想できます。
媒体別にみた2020年の見込み
- テレビ広告:0.1%の微増が期待。五輪の影響が最も大きく、7~9月期はタイム広告の増加。
- ラジオ広告:スポット広告の減少が続き、20年度は2.2%減る見込み。
- 新聞雑誌、コミック:減予想だが、前年よりは改善の予測。
- インターネット広告:17年度に9.2%増と4年ぶりの1ケタ増にとどまった後、18年度19年度は鈍化傾向だが、 20年度は動画広告がインターネット広告をけん引していく予測。インターネット広告の伸びは6.4%と19年と比較して4.0%の増。
- 交通広告:1.6%増と、20年度も安定した伸びを見込む。駅貼りの広告から、デジタルサイネージでの広告へ推移。
夏に来る五輪や、5Gの商用化に合わせて、TVを中心に、デジタルサイネージ、動画広告などの成長率は伸びる予測が出ています。
世界の広告費 2019〜2020年の予測
一方、世界の広告費については、電通の海外本社・電通イージス・ネットワークから1月に発表されています。
出典:AdverTimes(アドタイ)「2019年の世界の広告費成長率は2.6% ― 引き続きデジタルが成長を牽引」
媒体別では、世界各地で引き続きデジタルが広告市場成長を牽引している。デジタルが従来型メディアの再成長に貢献すると見ており、たとえば、音声アシスタントやアドレッサブルTV(インターネットTV端末等に視聴者特性に合わせて広告を個別配信するプログラマティック広告)などがテレビ広告の成長を後押ししている。従来メディアの成長率は、新聞が△7.1%、雑誌が△6.3%と厳しい状況が続くものの、テレビは0.6%、ラジオは1.7%とプラス成長に転じる見通し。この回復傾向は2021年も続くと見ている。
宣伝会議「2019年の世界の広告費成長率は2.6% ― 引き続きデジタルが成長を牽引」
世界的に見ても、インターネット広告は運用型広告を中心に12.5%の成長が見込まれています。とくにスマートフォン、動画広告、マス4媒体事業社等が主体となって提供するインターネットメディア・サービスにおける広告費が成長を牽引する見通しとされています。
デジタルサービスが伸び悩んでいるマスメディア活用の新たなきっかけになりそうです。
まとめ
17年度に一度低迷したWEB広告も、広告配信や表示の基準に対する意識も改められ、新たなデジタルデバイス、デジタルサービスによって今後も加速していく傾向です。
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