マーケティングに活かせる行動経済学

カテゴリ:Webマーケティング

公開日:2019.11.22 最終更新日:2020.08.22
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行動経済学という言葉をご存知でしょうか?

2014年にダニエル・カーネマンの著書「ファスト&スロー」が発売された際に知った方も多いことでしょう。

「経済学」は人がいつも合理的に活動することを前提として、モデル化を行うことで世の中の動きを観測する学問です。

しかし、みなさんも経験があると思いますが、人は必ずしも合理的に行動する訳ではありません。

ダイエット中なのに、つい甘いものを食べてしまった。少し歩けばスーパーで安く買えるのに、近くの自販機で飲み物を買ってしまった。などなど。

一方で、「行動経済学」は人は必ずしも合理的に行動するわけではないとした上で、心理学的観点も取り入れながら、ある状況下での人の行動を学問したものです。

人の行動に関する学問という点で、マーケティング や営業に活用できるものもあるのでご紹介します。

プロスペクト理論

これは不確実な状況下で人はどのような選択をとるのか。という理論です。

次の状況で自分ならどちらの選択をするか考えてみてください。

①確実に100万円をもらえる。
②コインを投げて表なら200万円を得るが、裏なら何も貰えない。

さてどうでしょう。①を選んだ方が多いのでしょうか?

期待値だけで見ると、どちらも100万円のなので、人が合理的に行動すると仮定するならば、①と②は半分づつ選択されるはずです。

しかし、実際の実験でも①を選んだ人が多かったそうです。

これは、「人は利益を得られる選択では、損失を回避する行動をとる傾向にある。」ということを示す実験でプロスペクト理論と名付けられました。

サンクコストの過大視

これは、人はすでに費やしてしまった費用を過大評価してしまい、合理的でない行動をしてしまう心理です。

つまり、時間なり金銭なりのコストをかかる行動の途中で、このまま続けても上手くいかないことが判明しても、これまでかけたコストが勿体無いため、行動を打ち切らずにそのまま続けるという不合理な選択をしてしまうことです。

有名な話では、コンコルドの誤謬というものがあります。

イギリスとフランスで共同開発された音速旅客機のコンコルドの話です。

この飛行機は開発の途中段階で様々な課題が見つかり、仮に開発に成功して運行を続けたとしても採算が取れずに赤字になることが判明しました。

そこで開発をやめていればよかったのですが、その時点ですでに多額の投資をしていたため、さらに赤字を掘り続け結局赤字が膨らんだまま2003年に全機撤退することになったという話です。

ここまで大規模な話はなかなかないですが、私たちの暮らしの中でも「せっかくここまで続けてきたし・・・。」という理由で不合理な選択をしてしまうことがあります。

フレーミング効果

これは情報の枠組みによる焦点によって、情報の捉え方が変わり、人の行動が変化するというものです。

例えば、成功確率50パーセント、失敗確率50パーセントの手術があったとします。この手術について患者に伝える場合。

①この手術は50パーセントの確率で成功します。
②この手術は50パーセントの確率で失敗します。

と伝えた場合。どちらも確率は変わらないはずなのに、「成功」に焦点を当てた伝え方の方が、手術を受ける人の割合が多かったそうです。

まとめ

いかがでしたでしょうか。実際のマーケティングや営業の場面でもこれらの理論が活用されている場面も多いです。

また、日々の自分たちの行動を見返してみても不合理であるはずの選択も行動経済学の枠組みで見てみると説明がつくものがあったのではないでしょうか。


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