RLSA(検索広告向けリマーケティング)とは?成果を上げるノウハウなどについて解説
カテゴリ:リスティング広告
本記事は、以下のような悩みを持たれた方に向けて書いております。
- rlsaについて詳しく知りたい。
- rlsaを上手く活用して成果に繋げる方法を知りたい。
rlsaについて何も知らない方でも、rlsaがどういったもので、どう運用すれば成果が出せるのかを、弊社が過去に数百社のマーケティング支援をさせて頂いた中で得た知見・ノウハウをもとに解説していきます。
また、一般的な検索広告であるリスティング広告に関する弊社の知見・ノウハウは下記記事に全てまとめてありますので、興味のある方はぜひ参考にしてみて下さい。
それでは、いきましょう。
RLSAとは?
RLSAとは?
RLSAとは、検索広告向けリマーケティング(Remarketing Lists for Search Ads)の略で、自社サイト内のある特定のページを訪れたユーザーかどうかによって広告の表示有無を分けたり、入札単価を変えたり、あるいは広告文、遷移先のランディングページなどを使い分けたりすることが出来る機能のことを言います。
この機能はGoogle広告やYahoo!検索広告などで提供されていますが、Google広告の場合は「検索広告向けリマーケティング」という名称でサービスが提供されているのに対し、Yahoo!検索広告の場合は、「サイトリターゲティング」というGoogle広告の場合とは異なる名称で提供されています。
それぞれ名称は違いますが、提供される機能はGoogle、Yahoo!共に同じですので、本記事ではこの機能をRLSA(検索広告向けリマーケティング)という名称で呼ばせて頂きます。
RLSAを使うことによって、自社サイト内の特定ページを訪れた、特定の興味を持った比較的購買意欲の高いユーザーに限定して広告を配信することが出来たり、あるいはそういったユーザーに対して通常の検索広告よりも入札単価を高くすることで広告がより上位に表示されてクリックされやすくすることが出来たりするようになるため、かなり成果が出やすい機能となっています。
弊社が過去にマーケティング支援をさせて頂いたクライアント様の中にも、この機能を使われた企業様が非常に多くありました。
RLSAが成り立つ仕組み
RLSAを使用するためには、まず自社サイト内の特定ページに専用タグを埋め込みます。
すると、そのページをユーザーが訪れる度に、そのユーザーを判別するための情報がまとめてリスト化されていきます。
そうして得られたユーザーリストを、リスティング広告の入稿設定をする際にターゲティング設定に使用することで、RLSAが使用可能となる仕組みになっています。
この専用タグは、複数ページにそれぞれ埋め込むことができ、訪れたページごとにユーザーリストを分けて作ることが出来るため、例えば複数のリマーケティングリストを使用して、それぞれのページごとのリストに記載されたユーザーにそれぞれ別の広告文を表示させて別のランディングページへ遷移させることが可能となっております。
RLSAの設定方法とその際に気を付けるべきポイント
RLSAのGoogle、Yahoo!それぞれにおける設定方法は、それぞれの公式ページにて詳しく解説されておりますので、そちらを下記に掲載しておきます。
参考:
検索広告向けリマーケティングリストの設定(Google広告ヘルプ)
参考:
サイトリターゲティングとは(Yahoo!広告ヘルプ)
そして本章では、RLSAの設定をする過程で、RLSAを使用するにあたって気を付けるべきポイントについて解説していきます。
ターゲティングとモニタリングの違い
RLSAを使用するにあたって、設定をする際に、キャンペーンまたは広告グループにどのユーザーリストを使用するかを設定しますが、設定方法には大きく分けて2種類、「ターゲティング」と「モニタリング」とがあります。
これら2つのうちどちらを選ぶかで、今後の成果に大きな影響を及ぼしますので、下記に解説した二つの特徴の違いを正しく把握しておくようにしましょう。
ターゲティングとは
ターゲティングという方法を選択すると、設定したユーザーリストに該当するユーザーにのみ限定して広告が配信されます。
モニタリングとは
モニタリングという方法を選択すると、設定したユーザーリストに該当するユーザーだけでなく、入札キーワードに該当するキーワードで検索したユーザーに対しても広告が配信されます。
ユーザーリストに該当するユーザーに対して入札単価を高めて広告を配信したりすることが出来ます。
また、これら二つの方法はGoogleの場合には「ターゲティング」「モニタリング」という二つの言葉で表されていますが、Yahoo!の場合はそれぞれ「ターゲットリストのユーザー」「全ユーザー」という二つの言葉で表されています。
それぞれの区別の方法にGoogleとYahoo!とで特に違いは無く、入札単価の設定方法が若干異なる程度です。これらについてはGoogle、Yahoo!それぞれの公式サイトを参考にしてみて下さい。
参考:
検索広告向けリマーケティングリストの設定(Google広告ヘルプ)
参考:
ターゲットリストの入札価格調整率と配信対象ユーザーの設定(Yahoo!広告ヘルプ)
RLSAを使用するために必要な最低リスト数
RLSAを使用するためには、リストサイズ(ユーザーリストに含まれるリスト数)が一定基準を満たすユーザーリストしか設定することが出来ません。
Google、Yahoo!共に1,000を越えている必要があります。
参考:
検索広告向けリマーケティングリストの概要(Google広告ヘルプ)
参考:
ターゲットリストとは(Yahoo!広告ヘルプ)
実際にこれらの数値を越えていないユーザーリストを設定すると、Googleの場合は設定画面でエラー表示されますが、Yahoo!の場合は表示されません。
そのため、Yahoo!でRLSAを使用する際は、あらかじめリストサイズを設定画面から調べて把握しておく必要があります。
Google、Yahoo!それぞれでのリストサイズの確認方法は、以下の通りになります。
Google広告の場合
- 「ツールと設定」をクリック
- 「オーディエンスマネージャー」をクリック
Yahoo!広告の場合
- 「ツール」をクリック
- 「ターゲットリストを管理」をクリック
リマーケティングリストのユーザーは一定期間経つと削除される
リマーケティングリストに含まれるユーザーは、一度保存されても永遠に残るわけではなく、一度保存されてから540日間ターゲティングに使用されなかったリストはその都度削除されてしまいますので、注意しましょう。
参考:
検索広告向けリマーケティングリストの概要(Google広告ヘルプ)
参考:
訪問履歴の蓄積と訪問期間、有効期間の設定(Yahoo!広告ヘルプ)
RLSAでより成果を上げるためのノウハウ
本章では、RLSAを使用してより成果を上げるためのノウハウについて解説していきます。
入札単価をリストごとに調整する
入札単価を高めると、広告がより上位に表示されやすくなるため、それによって広告のクリック率が高まります。
一度サイトを訪れたユーザーというのは、比較的購買意欲が高く、コンバージョンに繋がりやすい層ですので、リマーケティングリストへの入札単価は通常の検索広告よりも高めてでも、しっかり表示することをおすすめします。
また、さらにリマーケティングリストの中でも、例えばお問い合わせフォームやECサイトの決済フォームなどにまで遷移して離脱したユーザーというのは、サイトを訪れたことのあるユーザーの中でもかなり購買意欲が高いと言えます。
このように、リマーケティングリストの中でも、コンバージョンへの繋がりやすさによって入札単価に差をつけることで費用対効果をより高めることが出来ますので、リストごとに入札単価を調整するようにしましょう。
複数のリマーケティングリストを組み合わせる
本記事の一章で解説したように、専用タグは複数使用することが出来ますので、それに応じてリマーケティングリストも複数作成することが出来ます。
そして、複数あるリマーケティングリストは、あらゆる方法で組み合わせて新しくリマーケティングリストを作成して使用することが出来ます。
実際に複数のリマーケティングリストを組み合わせて使用することで、より成果が高まることが多いです。
具体的には、複数のリストのいずれかに属するユーザー全員に広告を配信したり、複数のリスト全てに共通しているユーザーにのみ広告を配信したり、あるいは複数のリストのうち、あるリストには含まれていて他のあるリストには含まれていないユーザーにのみ広告を配信したりすることが出来ます。
これらを上手く活用すると、例えばスポーツ用品を販売しているECサイト内において、サッカー用品のページを訪れていてかつ決済フォームにも遷移しているユーザーリストを作成したり、あるいはサッカー用品のページを訪れていなくてかつテニス用品のページを訪れているユーザーリストを作成したりも出来ます。
このように、複数のリマーケティングリストを作成してそれらを組み合わせることで、より成果に繋がりやすい運用が出来るようになります。
詳しい組み合わせリストの作成方法については、下記に掲載しているGoogleの公式ページをご覧下さい。
参考:
組み合わせリストを作成する(Google広告ヘルプ)
広告文やランディングページを使い分ける
広告文や遷移先であるランディングページなどは、リストごとに使い分けることが大切です。
理由は、ターゲットとする層ごとにニーズが明確に異なるからです。
例えば、まだ商品・サービスを購入したことがない新規顧客などに対しては、まずは初回購入をしてもらうために自社の他社に比べた優位性や初回購入特典などといった訴求をするべきですし、既存顧客に対しては、リピーター特典や関連商品などのアップセル・クロスセルなどといった訴求をするべきだからです。
このように、顧客層によってニーズは異なりますので、よりコンバージョンに繋がりやすくするための最適な広告訴求をする必要があります。
クリック率が一気に高まる広告文の作り方については、下記記事をご覧下さい。
無駄クリックが発生しやすかったキーワードでも入稿する
通常の検索広告であれば無駄クリックが発生しやすかったキーワードであっても、広告をリマーケティングリストに限定して配信することで、無駄クリックが発生しにくくなってコンバージョン率が高まりそうなキーワードは、ターゲット設定を「モニタリング」ではなく「ターゲティング」にして配信することも成果を上げるための方法の一つです。
そういったキーワードはなかなか見つけることが難しいです。
例えば、サッカー用品を販売している場合だと、通常の検索広告の場合は「サッカー シューズ」「サッカー ボール」「サッカー ソックス」などのような用品に直接関係するキーワードを中心に入稿することが一般ですが、一度自社サイトを訪れている購買意欲の高いリマーケティングリストに限定して広告を配信するとなると、これらのキーワードに加えて「サッカー シュート 上手くなる方法」「サッカー シュート」などのように、サッカー用品には直接的に関係は無くとも、リマーケティングリストに含まれるユーザーが検索しそうなキーワードで入稿して、自社の商品を思い出してもらうことでコンバージョンに繋げていくという方法も有効です。
この方法を決済ページまで遷移したリマーケティングリストに対して広告を配信すると、さらに費用対効果が高まる可能性も高いので、ぜひ使ってみて下さい。
動的検索広告(DSA)と併用する
RLSAを動的検索広告(DSA)と併用することで、より成果が上げられることもあります。
動的検索広告(DSA)とは、リスティング広告の一種で、キーワードや広告見出しを設定することなく、広告の説明文と遷移先ページのみを設定して入稿する広告で、検索エンジンが遷移先ページに関連していると判断したキーワードで検索された際に広告を表示させるものです。
動的検索広告(DSA)を運用することで、ツールなどでは見つけることの出来なかった競合がなかなか入稿していないニッチなキーワードで広告を表示させることが出来たりするため、広告のインプレッション数が増えることでクリック数も増え、それによってリマーケティングリストも増えやすくなります。
また、前節で解説したような、通常の検索広告では無駄クリックが発生しやすくても、リマーケティングリストに限定して広告を配信することで無駄クリックが減ってコンバージョンに繋がりやすくなるキーワードがなかなか見つからない場合、動的検索広告(DSA)と併用することでそういったキーワードで広告を表示させる機会を増やすことが出来ることが多いです。
このように、RLSAと動的検索広告(DSA)を併用することは成果を上げるにはかなり有効な方法です。
ぜひ使ってみて下さい。
まとめ
以上、RLSA(検索広告向けリマーケティング)について解説していきました。
RLSAは、使い方によって成果にかなり差が出る機能ですので、本記事で解説したテクニックを活用しながら、また社内でRLSAを使用して本記事で解説したテクニック以外に有効な使い方を見つけながら、成果に繋げて頂ければと思います。
そして、宣伝になってしまいますが、弊社もRLSAを含めリスティング広告やその他の広告も取り扱っています。
私たちは、広告運用を始めとしたWebマーケティング施策を行いたい企業で、特に広告予算が月々15万円~数百万円ほどの企業が、最適なマーケティングサービスを受けることが出来ていないという広告業界の課題を解決したいと思っています。
そのために、国内外の最新AI・自動化技術を使うことで業務内容を最大限に効率化かつ高性能化し、プロのマーケターが運用して改善し続ける運用体制を整えています。
リスティング広告の運用については、アメリカ発の最新AIツールを用いて、多くの広告代理店が使用するツールでは見つけることが難しいキーワードをかなり網羅的に洗い出したり、広告文やランディングページについてもAI・自動化システムを用いて高速で改善し続けたりと、莫大な予算を使っている大手広告代理店に匹敵するハイレベルなマーケティングを比較的低コストで提供させて頂いております。
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参考:
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それでは、最後まで読んで頂き、ありがとうございました。
山路 天音
inglow マーケティングチーム所属。大学卒業後、Web広告専門会社に入社し、Web広告運用・販促計画など、マーケティングとセールス業務に携わる。その後、より幅広いデジタルマーケティングのキャリアを求めてinglowに参画。Google広告やFacebook広告、Instagram広告運用に精通し、機械学習アルゴリズムの活用とユーザー視点の施策提案の両輪でクライアントが求める成果に対しひたむきに向き合う。